こんにちは、しげとしです。
今回は、2026年に入荷した特選コーヒー、
「ルワンダ・アバトゥンジ農園 イカワンデンデ種 フリーウォッシュ」
について、少しお話ししたいと思います。

ルワンダ・アバトゥンジ農園のピエールさんとセドリックさん
ちなみに、上の写真の左側に写っているのが、ルワンダ・アバトゥンジ農園のオーナー、ピエールさんです。
真ん中に写っているのは、息子のセドリックさん。
現在、アバトゥンジ農園のマネージャーを務めています。
私がセドリックさんと初めて会ったのは、彼がまだ19歳で、インドの大学に留学していた頃でした。
あれから時が経ち、大学を卒業したセドリックさんは、今では農園の運営を担うようになりました。
そして、セドリックさんが農園の管理に携わるようになってから、アバトゥンジ農園のコーヒーは、年々品質が安定してきたように感じています。
若い頃から知っているセドリックさんが、こうして立派に農園を運営していることを、私もうれしく思っています。
そして今年、2026年に届いたコーヒーには、20年間ルワンダのコーヒーを扱ってきた私も驚かされました。
悲しい歴史を乗り越えてきたルワンダ
ルワンダはアフリカ東部に位置する小さな内陸国です。
緑豊かな丘陵地帯が広がり、その美しい風景から「千の丘の国」と呼ばれています。
ルワンダは1994年、内戦のさなかに、約100日間で80万〜100万人もの人々が命を奪われるジェノサイド(大虐殺)を経験しました。
主にツチの人々が標的となったこの悲しい出来事は、「ホテル・ルワンダ」や「ルワンダの涙」という映画にもなりました。
しかし、その後のルワンダは、国民の和解と復興に取り組み、大きな発展を遂げてきました。
現在では、首都キガリを中心に経済成長が進み、アフリカの金融センターとなることを目指しています。
その目覚ましい復興ぶりは、「アフリカの奇跡」と呼ばれることもあります。
しかし、その一方で、地方の農村部には今も貧しい暮らしを続ける人々が少なくありません。
農村部では農業が生活の中心で、コーヒーは現金収入を得るための大切な農産物です。
ルワンダでは約40万戸の小規模農家がコーヒーを栽培し、その収入によって暮らしを支えています。
だからこそ、より品質の高いスペシャルティコーヒーを生産し、世界の市場で高く評価されることには、大きな意味があります。
ルワンダのスペシャルティコーヒーの品質向上は、単においしいコーヒーをつくるためだけではなく、生産者の暮らしと未来を豊かにするための挑戦でもあるのです。
初めて出会ったルワンダコーヒー
私が初めてルワンダのコーヒーを扱ったのは、今から20年ほど前、2005年か2006年のことでした。
当時のルワンダのコーヒーは、非常に強く明るい酸味と、素晴らしい透明感を持っていました。
しかし、甘味やコクはまだ十分ではなく、荒削りで、一般のお客様にはおすすめしにくい味わいでした。
それでも私は、その素晴らしい酸味に、大きな可能性を感じていました。
そこで、まずは特選コーヒーとして、数量限定でご紹介していくことにしました。
私たちにもお客様にも、無理のない形でルワンダのコーヒーを楽しんでいただこうと考えたのです。
その後、2008年にルワンダでカップ・オブ・エクセレンスが始まる頃には、甘味やコクも豊かになり、品質は飛躍的に向上しました。
ルワンダのコーヒーは、年を追うごとに魅力的な味わいへと進化していったのです。
2016年に撮影した、ルワンダのコーヒー農園主でコーヒートレーダーのピエールさんのインタビューは、以下のリンクからご覧いただけます。
インタビューでは、
ルワンダ・アバトゥンジのコーヒーは、素晴らしいコーヒーというだけでなく、このコーヒーを飲んでいただくことで、農家の子どもたちが学校に通えたり、医療保険によって病院に行けるようになったりします。
どうぞ、ルワンダのコーヒーを楽しんでください。
という趣旨のお話をされています。
こうした生産者の暮らしを支えるために、私は以前から、一つ大切にしている考えがあります。
それは、「かわいそうだから買ってあげる」というチャリティではなく、おいしいコーヒーをお客様に楽しんでいただくことで、生産者を継続的に支えていきたいということです。
長くコーヒーの仕事をしていると、寄付や一時的な支援は、支援する側の事情によって続かなくなることもあると感じます。
一方、おいしいコーヒーを適正な価格で購入し、お客様に喜んでいただければ、生産者も私たちも仕事を続けていくことができます。
お客様には、おいしいコーヒーを楽しんでいただく。
生産者には、良いコーヒーを作ることで、より豊かな暮らしを実現していただく。
その関係が続いていくことが、何より大切だと思っています。
そんなわけで、私たちは、
「チャリティよりビジネスで」
という考えを大切にしているのです。
長年悩まされてきたポテトフレーバー
ただ、ルワンダのコーヒーには、長年悩まされてきた問題がありました。
それが「ポテトフレーバー」と呼ばれる、一部の豆に発生する独特の欠点です。
ジャガイモを思わせる不快な臭いが発生するもので、現地に生息する小さなカメムシの一種による被害が関係していると考えられています。
このポテトフレーバーは、管理が非常に難しい問題です。
実際、これまでの経験でも、一袋は大丈夫だったのに、次の袋ではポテトフレーバーが見つかることがありました。
また、自分たちの農園でしっかり管理していても、周辺の農園を含めた栽培環境の影響を受ける可能性があります。
そのため、農園だけの努力で完全に防ぐことは難しいのです。
私たちも、これまで何度も選別を繰り返し、お客様においしいルワンダのコーヒーをお届けするために、ずいぶん苦労してきました。
味わいが素晴らしいだけに、本当に悩ましい問題でした。
そんなわけで、毎年新しいロットが入荷するたびに、品質への期待と同時に、ポテトフレーバーへの不安もあったのです。
2026年のアバトゥンジ農園に驚く
ところが、2026年に入荷した「ルワンダ・アバトゥンジ農園」には、本当に驚きました。
入荷した豆の半分ほどの焙煎を終えた時点で、気になった豆は焙煎中に見つけた、わずか2粒ほど。
これまで経験したことがないほどの安定性です。
もちろん、残りの豆についても慎重に確認を続ける必要がありますが、この品質の向上には驚かされました。
もともと味の良いコーヒーでしたが、2026年は品質のばらつきも驚くほど少なくなっています。
中南米の一流コーヒーと肩を並べる、素晴らしい味わいに仕上がっています。
これも、現地の生産者の皆さんが長年積み重ねてきた努力の成果なのでしょう。
20年間ルワンダを見てきた私としては、
「ついに、ここまで来たか」
というのが正直な感想です。
黒ブドウを思わせる風味と長く続く余韻
2026年のアバトゥンジ農園の魅力は、豊かなコクと、黒ブドウを思わせる風味です。
そして、何より印象的なのが、長く続く心地よい余韻。
口に含んだときの豊かな味わいが、飲み終わった後にもゆっくりと続いていきます。
酸味、甘味、コクのバランスも良く、ルワンダのコーヒーがここまで進化したことを実感できる味わいです。
20年間の進歩をぜひ味わってください
振り返ってみると、初めてルワンダのコーヒーを扱った頃から、ずいぶん長い時間が経ちました。
当時は、素晴らしい酸味を持ちながらも、まだ荒削りだったルワンダのコーヒー。
それが20年の歳月を経て、豊かなコクと甘味、そして長く続く余韻を持つ、素晴らしいコーヒーへと進化しました。
ポテトフレーバーの問題も、まだ完全に解決したわけではありません。
これからも慎重にチェックを重ねながら、丁寧に仕上げていきたいと思います。
「ルワンダ・アバトゥンジ農園 イカワンデンデ種 フリーウォッシュ」
20年間の進歩を感じさせてくれる、自信を持っておすすめできるコーヒーです。
私たちは小さなお店ですが、微力ながら、これからもルワンダのコーヒーを応援してゆきたいと思います。
ぜひ、この素晴らしい味わいを、一度お試しいただけましたら幸いです。
しげとし珈琲
重歳 修

SCAJ2026 ルワンダブースにて マリー・クレール・ルワンダ大使とマリールイズ先生

ルワンダ・アバトゥンジ農園2026
2026年11月 特選コーヒー
ルワンダ・アバトゥンジ農園
イカワンデンデ種 フリーウォッシュ
黒ブドウを思わせる風味と、豊かなコク。
長く続く心地よい余韻を、ぜひお楽しみください。
※数量限定の特選コーヒーです。販売状況は商品ページをご確認ください。

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